足関節捻挫、足関節不安定症(CAI)について
足関節捻挫はスポーツ選手に最も多い外傷の一つです。特に図のように足首を内側に捻る内反捻挫が多くみられます。
また捻挫を繰り返すことで、慢性足関節不安定症(Chronic ankle instabirity:CAI)になり、さらには変形性足関節症に進行する場合もあります。
内反捻挫の受傷機転
バスケットでのカッティング動作、バレーでのスパイク後の着地、急なストップ動作などにおいて、また屋外競技では、地面の凹凸に足を取られることも典型的な受傷機転といえます。
進行方向に対して、つま先が内側を向いた状態で接地する動作において起こりやすいとされております。
捻挫後の不安定性
足関節内反捻挫の多くは「内返し」=足関節底屈位での内旋・回外強制により起こります。
それによる前距腓靱帯や踵腓靱帯損傷などの損傷を招きます。
内側靱帯損傷のない、前距腓靱帯損傷は前外方不安定性、さらに踵腓靱帯損傷が加わると距骨傾斜を招きます。
捻挫の重症度
足関節外側靱帯損傷(前距腓靱帯損傷・踵腓靱帯損傷)の重症度は「Ⅰ度~Ⅲ度」に分類されます。
捻挫後の疼痛部位
内反捻挫後、蒲田らによると図¹⁾の部位に痛みが生じることが多いと述べております。捻挫後適切な処置を行っていないと関節がグラグラになり(不安定性をきたし)、足関節内の軟骨を痛めることもあります。たかが捻挫されど捻挫。特にⅡ度~Ⅲ度損傷(捻挫の重症度の表参照)が疑われる際には医療機関を受診し、正確な診断を受けることをお勧めいたします。
捻挫後の対処
捻挫後の状態は「急性期」「亜急性期」「回復期」「復帰期」4つの期に分けることができます。
「急性期」
捻挫後の「患部の変形」「皮下の変色」「腫れ」から、まずは明らかな骨折や脱臼がないかの判断が重要です。明らかな骨折脱臼があればすぐに医療機関への受診が必要となります。またご自身での判断は非常に難しいと思いますので、捻挫して動けない際には速やかに医療機関の受診をお勧めいたします。
処置としてはまずは「R(Rest:安静)・I(Icing:冷却)・C(Compression:圧迫)・E(Elevation:挙上)」を行ってください。また近くに松葉杖があれば使用し、足をつかないようにしてください。この時点で無理をし、患部腫れが大きくなると復帰や治癒が遅れ、所謂「捻挫ぐせ」がつくことになります。
重症度の度合いにもよりますが、急性期が終わる頃(受傷から5日くらい)まではしっかりとした背屈位での固定と繰り返しのアイシング(20分冷やし40分間開け、また20分冷やすの繰り返しを2~3セット)を行ってください。
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