肩こり症(頚肩腕症候群)
代表的なところは「長時間のデスクワークによる肩こり」でしょうか。または肩こりはオフィスワーカーに限らず、アスリートの方でも起こりうる症状です。大事な試合を前にして精神的に緊張している場合、または寒いときは(肩をすくめた.いかり肩の状態になり)筋緊張し肩が凝っている選手がよくいらっしゃいます。
最近だとアスリートでも不良姿勢による、筋が伸ばされた状態(なで肩)による肩こりになっている場合もあります。以下の図¹⁾のように、なで肩、いかり肩で緊張する筋肉は異なります。
また、 外側上顆炎や投球障害肩によって痛みが生じた場合に患部をかばって、肩こりになるケースもあります。
実際、「肩こり」はまだはっきりと定義付けされておらず、頚椎由来のものとも、筋肉の血行障害とも、いわれており原因は多岐にわたります。以下の表²⁾は肩こりの原因疾患の表になります。
当院では以下の図²⁾のような特に「天柱」「肩井」「肩外兪」というツボ周囲の筋肉に鍼を行います。
いかり肩でみられる僧帽筋上部の緊張には「天柱」「肩井」、なで肩・いかり肩ともに緊張が生じる肩甲挙筋には「肩外兪」を用いて鍼治療を行います。
鍼を刺入した際に「ピクッ」と筋肉が動くLocal twich response(LTR)という反応が起これば、凝り症状は6~7割は改善いたします。非常に即効性があり持続性もあります。残りの3~4割の症状はしっかりとした肩甲骨周りの可動性を運動で獲得する必要があります。
写真:左肩井への刺鍼
(肩こり・首こりについてはブログでも記載があります。)
再発しないようにするためにもセルフエクササイズをご指導いたします。
参考引用文献
図1:竹井 仁『肩こりに対する私のアプローチ法 「運動療法・理学療法の重要性」』(MB Orthop,29(9):59-68,2016)
表1:高木克公『肩こりの予防と治療』(日臨整外会誌.28:12-17,2003)
図2:岩澤大輔ら『肩こりの解剖学的検討』(Modern Physician Vo l.26 No.2 2006-2)(2006)