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円皮鍼を用いた鍼刺激が筋疲労による瞬発的筋力発揮能力低下に及ぼす影響―二重盲検比較試験を用いた検討―

日本臨床スポーツ医学会誌:Vol. 23 No. 3, 2015. 大隈祥弘ら

https://www.rinspo.jp/journal/2010/files/23-3/440-451.pdf



〔要旨〕  

筋疲労は瞬発的筋力発揮能力の低下と定義されており,その低下に円皮鍼がどのような影響を及ぼすか二重盲検比較試験を用いて検討した.

成人男性 23 名を対象とし,
鍼が付いた円皮鍼で刺激する真鍼群 12 名と
真鍼と外見は同じであるが鍼 を除外したプラセボ鍼で刺激するプラセボ鍼群 11 名とに割付けた. 

瞬発的筋力発揮能力の指標として,
運動負荷前後の最大筋出力,
筋の立ち上がり率を示す rate of force development(RFD)を測定した.

最大筋出力については両群ともに運動負荷によって有意な低下がみられたが,
真鍼群の低下はプラセボ鍼群と比較してその低下が有意に少なかった.
また,RFD についてはプラセボ群にのみ運動負荷後に 有意な低下がみられた.

円皮鍼は,筋疲労を抑制すると示唆された


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以上、要旨引用終わり





0.6mmの円皮鍼と、鍼が無く置き鍼みたいなプラスチックの粒を、


大腿部に貼付し、


運動負荷後、どれくらい筋力発揮できるかというお話でしたが、 


プラスチックの粒でも効果ありそうだけど、  


この文献では、鍼がきちんと付いたものだと運動負荷をかけた後でも筋出力が発揮できているのに対してプラスチックの粒では筋出力は落ちていたという結果でした。
 

円皮鍼の何が効いて


筋の出力が発揮されたのか?  


0.6mmの鍼だと、


浅い層のアプローチという事で、  


浅い層でどの様な生理学的反応が起こっているのか?

を考える上にはまだまだ、解明が必要です。


本文献内にも、参考にしている文献があるので、その文献を今度みてみよう。


(以下、文中から引用)

鍼先が皮膚組織で留まる円皮鍼の作用機序に関する報告は多くないが,後藤らは従来使用されている毫鍼を筋中まで刺さずに,円皮鍼のように皮膚に留めた場合でも皮膚 C 線維侵害受容器の興奮・発射を微小神経電図により観察している.

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という文献内の引用があり、



浅い層のみの刺激でも何かしらの生理学的な反応が生じていることがわかりました。



筋へのアプローチだけでなく、皮下組織(疎性結合組織)へのアプローチも身体は反応し、



その部位が主症状を再現していれば、


浅い刺激だけでも大きく身体の変化は出そうだなと感じます。

  


ここで難しいのが、皮膚(皮下の浅い層)への刺激が意識下に上った場合と、何も感じなかった場合で効果に差異があるのか?



また、円皮鍼は、


症状の原因となる場所へいかにピンポイントで貼らなければだめか、それともある程度アバウトでも効果変わらないのか?


などなど。



効果がある事の実証は、


鍼灸師として、非常に有用でありがたい事です。


さらなる疑問に向かって。


勉強あるのみです。


Higuchi