日鍼灸誌 27巻2号 昭53.10.15
*和田清吉, 北村 智, 松浦英世 (日本)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam1955/27/2/27_2_194/_pdf/-char/ja

当院では育毛鍼として頭部にアプローチする事はよくありますが、
症状の発生している部分(薄毛や円形脱毛部)として局所的に刺鍼する事が主です。
今回の文献は、
頭部の反応点に鍼治療を行う頭髪際刺鍼法についての文献です。
頭部の反応点に関しては、何となくイメージはありましたが、厳密にどの領域が何に作用するかまでは把握しておりませんでした。
ここで紹介されている頭髪際刺鍼法では、「内証区」と「表証区」に大別され、
内科的なものに対する反応点は「内証区」
運動器疾患的なものに対する反応点は「表証区」
とされています。
上図の様ない位置にそれぞれ反応点の分布が記されています。
これを臨床にどう応用するのか?
まずは通常の問診、理学検査を施行し、
所謂、標治法(局所治療)を行い、
それに加えて、本治法(根本治療)として、この頭髪際刺鍼法を用いれば治療の幅が広がります。
この文献の中で、
鍼刺激中のいくつかの留意点記載がある中で、
「骨膜刺激は避ける」
との記述があり、
理由としては、
▶︎骨膜を刺激すると痛みが長く(時には2-3日)こともありら、刺鍼を拒否するものもあるから
との事でした。
これは普段頭皮に良く鍼をしている身としてもかなり気をつけている部分だったので、
「やはりそうですよね〜」
と、
本文献を書いた先人に共感致しました。
また、文献内の治療方法で、
▶︎鍼先は頭頂に向け、15°以内の横刺(皮下筋膜内で骨膜に刺入しない)。刺入はまず一定部まで圧入し、撚鍼または鍼通電を行い10-20分留置する
など、
普段の育毛鍼に活かせる技術も多くあり、
また肩こりや腰痛など、運動器疾患の本治法としても活かせる要素があり、
明日の臨床からでも早速取り入れていこうと思いました。
ところで、
こちらの文献は昭和53年のもので、今から46年前に書かれたものです。
時をこえて学べる事は多いなと、
改めて本や文献から得られる先人の知恵は偉大だなと思いました。
偉大だなと、思いつつも、
常に疑いの目を持ちつつ、
今後当院で頭髪際刺鍼法の追試を行い、
「頭髪際刺鍼法」の現状の文献を調べてみようと思います。
この文献で、文献考察6日目(論文6本目)で、
また一つ引き出しが増えました。
今後も引き出しの多い鍼灸院、鍼灸師になっていくため、
引き続き、
へこたれず日々積み重ねていきたいと思います。
Higuchi