-エコーガイド下での梨状筋刺鍼-
日本東洋医学系物理療法学会誌 第 47 巻 2 号 佐々木 皓平
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsop/47/2/47_47/_pdf/-char/ja
要 旨
梨状筋症候群(Piriformis syndrome:PS)は、梨状筋周囲の炎症による梨状筋の肥厚や攣縮、梨状筋周囲の腫瘍、坐骨神経と梨状筋の解剖学的破格などがその原因となり、骨盤腔より後方に出た坐骨神経が梨状筋前面を通過する部で障害される絞扼性神経障害の一つである。その原因と PS の発症との因果関係は未だ明確でなく、MRI 等の画像診断や筋電図などの臨床検査を用いたとしても診断基準の確立されていない疾患である。これらのことから医療機関においても PS の判断のためには腰椎椎間板ヘルニア、腫瘍、腫瘤性病変、動脈瘤、子宮内膜症、外傷などの問題を除外した上での除外診断が重要とされている。
近年、諸外国においては PS に対する診断や治療効果判定のための理学的所見を集積したレ ビューがなされている。これらの文献から得られる情報は、鍼灸師のように日々の臨床現場で下肢痛患者に遭遇する機会が多く、かつ理学的検査に重きを置く者にとって有益である。まずは、徒手検査方法の正しい実施のためにPSの病態、梨状筋の解剖・作用を確認し、現在までに考案されている徒手検査法について解説を行う。また、梨状筋のような殿部深層の筋に対して鍼治療を 行う際の課題として、責任部位である当該筋に刺鍼できているか客観的な判断は難しいことが挙 げられる。通常、治療は複数回に渡ることが多く、治療が奏功しない場合は治療計画や病態把握 の再考が必要となるため術者が想定した治療の結果と治療成績が正しく照合できることが理想である。本稿では、X線検査、MRI検査により腰椎由来の問題が除外されたPS疑いの患者に対して、超音波画像検査装置(コニカミノルタ SONIMAGE HS1、コンベックスプローブ C5-2)を用いて、梨状筋、坐骨神経、血管群を描出し、エコーガイド下で殿部深層筋の中から梨状筋を選択的に治療して良好な直後効果を得た症例を紹介する。本症例より、PS患者の実際のベッドサイドの所見や刺鍼方法を共有する。
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以上文献より引用
こちらの文献は、鍼友(しんゆう)の先生が書いたものです。
(鍼友に関する過去のブログ記事はこちらから。✳︎2025年3月18日現在佐々木先生は無事博士課程を卒業されました)
最近、当院でも臀部痛(お尻+腰の下の方含む)を訴える患者さんによく出会います。
患者さんによっては臀部痛だけでなく、大腿(太もも)や下腿(すね周り)にも痛みを訴えることが多いです。
その様な患者さんの多くは、「坐骨神経痛」と言われた。もしくは坐骨神経痛と思っています。とお話されます。
坐骨神経痛と言えば、腰の背骨周り(脊柱管内や脊柱管外の神経根)で障害を受けるものをイメージされる事が多いと思いますが、
臀部の筋による圧迫によるもの、
大腿後面部の筋による圧迫によるもの、
など多岐に渡ります。
その中でも、本文献では臀部の症状にフォーカスを当て、評価から治療まで詳細に記述されております。
しっかり本文献の内容を把握することで、
臨床でよく遭遇する、
臀部の筋による圧迫による坐骨神経痛、
に対しての対策を練ることができます。
過去にもよく経験がありますが、
文献を読んでいると、面白いことに、文献と同じような症状を訴えた患者様がタイミングよく来院されることが多々あります。
日頃から学び、備えていたもので患者さんに良い治療が提供出来た時、
この上ない、治療者としての喜びがあります。
期待してご来院された、患者さんをガッカリさせてはいけない。
この事を肝に銘じて日頃から文献考察や鍼や灸をする為の手先の訓練をして、皆様のご来院をお待ちしております。
Higuchi