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東洋医学の話②

今日は、先日「甘味」の話の続きです。

 

 

甘味を取り過ぎると、「湿」を生み、「脾」の運化を障害するというお話でした。

 

 

まずは「脾」とは何なのか?

 

 

を書いていきたいと思います。

 

 

東洋医学で言う、「脾」には、

 

 

運化作用があります。

 

 

運化の「運」は転運輸送、

 

 

「化」は消化吸収を意味しております。

 

 

飲食によって得られた水穀(水や食物)を胃で消化し、消化された水穀の中から、小腸が分別する有益な「精」になる物質があり、


それを「水穀の精微」と呼びます。

 

 

その水穀の精微を吸収し、全身に輸送する働きが、



脾の運化作用です。

 

 

運化作用の中にも、「水液運化」というものがあり、

 

 

脾はとくに水液との関りが強く、水穀から有益な水液を吸収して、津液(水分)を生成する働きがあります。

     

 

生成した津液を肺(上焦)に運び、肺の作用を用いて、全身へ散布するように働いています。

 

 

また、水液が停滞すると、脾自体の作用も衰退してしまいます。

 

 

また別機会で書きたいと思いますが、

 

 

「肺や心」という臓器は運搬力(推動力)に優れているので、

 

 

消化吸収したものを全身に輸送するには脾の運化作用だけでなく、

 

 

肺や心の推動力を借りる必要があります。

 

 

 

そのためにも「脾」は、水穀の精微から必要な栄養分を取り出した後、

 

 

心や肺といった上焦へ栄養を運ぶ「昇清作用(持ち上げ)」という重要な働きをしなくてはなりません。

 

 

(ちなみに、津液(水分)の場合は全て「肺」に運ばれます。栄養は心に。)

 

 

この辺りの「運化作用」「昇清作用(持ち上げ)」が、

 

 

「湿」によって障害されます。

 

 

先ほど、水液が停滞すると、脾自体の作用も衰退してしまう、

 

 

 

と述べましたが、

 

 

甘味は湿を多く生み出します。

 

 

「湿」には重さがあるため、



「昇清作用(持ち上げ)」が機能しなくなり、

 

 

どんどん津液が下に溜まっていきます。

 

 

このようにして、しまいには「運化作用」にも支障をきたし、

 

 

お腹を下してしまうような状態になります。

 

 

「湿」は六淫(りくいん)と呼ばれる、

 

 

人体を障害する6種類の外邪(外的な病因)に含まれるため、

 

 

消化器症状だけでなく、

 

 

身体や四肢の重だるさ、関節の鈍痛、下肢の浮腫みの原因となります。

 

 

 

大の甘党の皆さん、

 

 

思い当たることはございませんか?

 

 


東洋医学って面白いですよね!

 

 

そうなると、次は、

 

 

じゃあその「湿邪」をどう改善するのか?

 

 

ですよね。

 

 

次回は、その辺を考察していきたいと思います。

 

Higuchi

 

 

 

参考引用文献:関口善太著 「やさしい中医学入門」東洋医学出版