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不定愁訴の取り扱い

 不定愁訴と書いて「ふていしゅうそ」と読みます。

 

これは、主観的な自覚症状は強く生じていても、愁訴に対して十分な診察や医学的な検査をおこなっても客観的な所見に乏しく、原因となる病気が見つからない・医学的には説明できない症状・状態をさしています。

 

MUS(Medically unexplained symptom)」と呼ばれることもあります。

 

「体が重い・だるい」「イライラする」「寝れない」「なんとなく体調が悪い」等が挙げられます。

 

 

不定愁訴に対しての現代(西洋)医学的には検査項目として以下の項目があります。

(出典:「解剖・動作・エコーで導くFasciaリリースの基礎と基礎と臨床 ハイドロリリースの基礎と臨床 第2版」)

 

一般的な疾患

・内分泌疾患

甲状腺疾患(甲状腺ホルモン)、女性更年期障害(エストロゲン)、男性更年期障害(テストステロン)、低コルチゾール血症(副腎機能低下)

 

・電解質異常

(Na、K、Ca、P、Mg、Znなど)

 

・血液疾患

貧血・白血病(血算)

 

・膠原病

(赤沈、CRP、MMP-3、抗CCP抗体、抗核抗体、SS-A抗体、SS-B抗体など)

 

・リウマチ性多発筋痛症

(エコーも活用し肩部の炎症を確認することも重要)

 

・血清陰性の膠原病

関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、脊椎関節炎(皮疹の有無、性感染症、腸炎の有無など)

 

・悪性腫瘍随伴性症候群

一般的なスクリーニング(肺・消化管・卵巣など)

 

・感染症

結核(インターフェロンγ遊離試験、胸部CT)、性感染症:梅毒、HIV、HTLV-1)

 

・肝炎

(AST・ALT)

 

・腎炎

(尿一般、沈渣)

 

・神経障害

(末梢神経、脊髄、脳):特に単純MRI検査で異常検出が難しい、末梢神経炎・脊髄炎・脳炎など

 

 

中枢過敏やATP産生不足の原因となる機能的病態

・睡眠時無呼吸症候群

(簡易検査もある)

 

・慢性扁桃炎・上咽頭炎

(咽頭鏡)

 

・低フェリチン血症

(末血、TIBC、血清鉄、フェリチン)

 

・質的栄養障害

(タンパク質欠乏(BUN〔腎機能障害がない場合〕、AST・ALT〔肝障害がない場合〕、LDH〔組織崩壊がない場合〕など酵素を測定評価する。

 

・ビタミン欠乏症

C、B1、B2、B6、B12、D➜補充療法以外に漢方薬も有効(多くは裏寒➜温裏剤〔真武湯・人参湯など〕)

 

 

上記の出典を引用致しました。

 

東洋医学では「気のせい」といわれるような、まさに不定愁訴を、我々鍼灸師は多く扱う職種だと思います。

 

たまたま、この項目を読んでいて、

 

私たち個人開業の治療者も現代医学をしっかり勉強し(まだまだですが)、

 

多岐にわたる可能性の先に、最善の治療を提供する必要があるなと感じました。

 

自己学習の備忘録的なものとして。

 

Higuchi