片頭痛は鍼灸師にとって、よく遭遇する症状の一つです。
多くの方は慢性的な症状に悩み、症状が強い方は内服薬の服用(トリプタン製剤など)をされております。
片頭痛の病態として、以下の特徴があります。
・ズキズキと脈打つような感じ(拍動性)の頭痛が繰り返し起こるが、脳の検査をしても異常無い。
・女性に多い。
・数時間から1~2日前、これから何となく頭痛が起こりそうな感じが出る(情緒不安定になる、気分がすぐれない、あくびを繰り返すなど)。
また頭痛の出現時、
・視野が欠ける(半盲)、
・ギザギザした光が出る閃輝暗点(せんきあんてん)を呈する。
これらの前兆が4分~60分間程度持続した後に、ズキズキとする頭痛が出現する場合がある。こうした発作が2回以上経験される場合、片頭痛と診断される。
上記の前兆がない片頭痛は、
・ズキズキとする頭痛が数時間~3日間持続。
・多くは頭部の片側で起きますが、両側に痛みが出る場合もある。
・日常的な運動で症状が悪化する。
・吐き気や嘔吐(おうと)症状が出現する。
・光と音に対して過敏になる。
このような頭痛が5回以上繰り返すと片頭痛と診断される。
また、片頭痛の発症機序に関して、肩凝りやストレスなどが原因で三叉神経(さんさしんけい)から「痛み物質」が放出され頭痛が起こる、三叉神経血管が原因ではないかという言われております。
詳しくは解明されていませんが、脳の血管が収縮し、続いて血管周りの神経が刺激され、拡張することにより頭痛が起こるといわれています。
実際に治療をしていると、肩凝り症状との関連を多分に感じますが、胸鎖乳突筋の筋緊張が要因になっているケースもよくみられます。
胸鎖乳突筋はデスクワークによって頸部を屈曲(前の方へ突き出した状態)している事で緊張しやすくなります。
また高齢者の円背姿勢も緊張を高めます。
胸鎖乳突筋の筋緊張による症状の特徴として、
・側頭部から額にかけての頭痛がある。
・肩こり症状に合わせて耳鳴りや喉のつかえ、目のかすみ症状を伴う。
・斜め上を見上げる様なストレッチよくする(右胸鎖乳突筋の緊張が高いと左後方に首を倒す)。
当院では胸鎖乳突筋の鍼治療とセルフケアのご指導致します。
まずはしっかりと局所の痛みを改善し、自然と良い姿勢が取れるようになることを目指します。
頭痛でお悩みの方、是非、胸鎖乳突筋を緩めてみるという選択肢を入れてみてください。
higuchi