今回は関節の動きに関して、書いていきたいと思います。
関節は「可動域」といって、関節構造によってそれぞれ標準的な、動く範囲があります。
膝は曲げ伸ばし動作が主で、動きが限られています。
一方、肩関節や股関節は曲げ伸ばしだけでなく内旋や外旋等、多方向に動きます。
(可動域の図引用:脳卒中専門医が教える脳卒中・脊髄損傷ブログより)
この関節の可動域には、自分で動かせる範囲と他者から力を加えられて動く範囲とがあります。
また関節構造と筋肉の柔軟性によって、その可動域は影響を受けます。
筋の柔軟性低下にはさまざまな原因があり、筋肉疲労によるものや、長時間同じ姿勢で動かしてないことによる筋の伸び縮みができない状態などがあります。
可動域に左右差があったり、可動域の狭い関節があると、隣接する可動域の広い関節でかばうため、可動域の広い関節に負担が集中し障害を起こしやすくなるので注意が必要です。
やはりデスクワーク等での長時間の座り姿勢は身体に負担をかけ、またマウスの使用等で左右差も発生します。
関節には一番効率よく力を発揮するポジションがあります。
その角度から離れると筋出力は低下します。
たとえば、猫背が長時間続くと、丸くなった胸椎部分の姿勢を支える脊柱起立筋が働かなくなり、腰を伸ばした状態をキープすることが出来なくなり胸椎も可動性を失い、どんどん背中は悪くなる悪循環に入ります。
胸椎の可動性が低下している状態で無理に背すじを伸ばそうと腰を反っていると、腰椎の際にある多裂筋が過剰に緊張し、腰痛の原因にもなります。
こうなると治療はまずは「➊凝り固まった筋肉の緊張の改善」を行います。次に凝り固まった状態を開放された「❷筋肉をしっかり使えるように強化」します。
上記の➊、❷をきっちり行うと、可動性の落ちてしまった関節はいいポジションに収まってきますので徐々に可動性も改善してくるというわけです。
この➊は、やはり当院は鍼灸院なので、「鍼治療」をお勧めします。
❷に関して当院でも良いですし、今やってらっしゃるヨガ・ピラティス・パーソナルトレーニング・ご自身でのトレーニング等なんでも構いません。
ただ、今の状態が 良い方へ向かっているのかどうかを、自分の感覚ではなく他者の目や触感で確認してもらうことが必要だと考えます。
私にとってもそうですが、自分の身体のことを自分で気づいていくというのは、非常に難易度が高いことです。
あとはとにかく、「継続」することです。
加齢によって人の組織は徐々に水分を失っていきます。
水分が失われることで、可動域はどんどん落ちていきます。
するとどんどん動かないので、動くのがおっくうになってきます。
組織のみずみずしさを保つのはとにかく動きことといわれています。
なのでやはり継続が大切なのです。
凝り固まった筋肉を緩めて、いい姿勢を、長く使える体を、一緒に作っていきませんか?
Higuchi