高齢の患者さんで転倒経験のある方は、お話を伺ってみると割合と多いです。
転倒は場合によっては、骨折などにより最終的に生活機能の低下を引き起こし、寝たきりの要介護状態になることもしばしばです。
また,転倒して実際には怪我をしていなくても転倒への恐怖感を感じるようになり,自身で歩けるにも関わらず歩行に障害を要する、
「転倒後症候群」
というものも存在します。
この転倒後の心理的変化は,転倒後に外傷を生じた場合と同様に生活機能の低下を引き起こす可能性があるといわれています。
実際,転倒(または転倒による骨折)は、
認知症や脳血管障害,加齢による廃用に続いての、主な介護の原因となっています。
またお亡くなりになる原因と要介護になる原因は異なるのことが多く、
そのことを考えると、単に長く生きるということよりも、健康に自立した生活を送るためにも転倒しない、骨折しない、ということが非常に大事だと言えます。
我々が行っている治療も、ご高齢の皆様が自立した生活を送るための後押しにならないといけないですね。
その方の人生を我々セラピストの熟練度によって左右してはいけないですし、そのためにも転倒せずにしっかり歩行できる環境、からだ作りをしていく必要がありますね。
今後とも心して施術させて頂きたいと思います。
次回は「転倒予防に必要な力」をご紹介したいと思います。
Higuchi