5月に入って超音波検査装置を導入することができました。早速患者様に使用して、より安全・安心で効果的な鍼を実感して頂いております。スポーツでのオーバーユースや、慢性的な肩こりに対して治療を行うとき、症状の原因になっている筋によりピンポイントでアプローチをしようとすると結構深くにアプローチこともあります。
その時、特に私が感じているのは「鍼」という侵襲(生体内に刺激を与える)のある治療を行う上で、本当に治療する「そこ」を理解しているのか?スポーツをやっている方・やっていない方問わず、肩甲骨内縁や肩上部は特に凝り症状を感じやすく、患者さんとしては特にしっかり刺激を与えてほしいところ。
「先生!そこもっと強めの刺激感をください!」
といわれたことあるのではないでしょうか?またそのように言ってらっしゃる患者様もいらっしゃるのではないでしょうか?
そういわれ、施術する側として大事なのは、マッサージにしろ鍼にしろ、きちんとしてたポイントにアプローチすることだと思います。
マッサージや指圧だと「強揉み」で対処。
鍼だと「深刺し」??
いやいや、肩甲骨の内側や肩上部の超音波での画像を一度見てみて下さい。
マッサージの強揉みならまだしも、ある程度解剖に理解ある鍼灸師の方であれば鍼で深刺しする気は失せます。
それくらい場所によっては非常に浅い場所に肺尖や肺の位置があるんです。
当院では最初に問診を行い、その後全身のお体のチェックを行います。
そして治療に入っていくのですが、その前に必ず、肩上部の肺尖の位置(写真Ⅰ)、患者様の肩甲骨内縁での肺までの距離(写真Ⅱ)、下位胸椎部での肺の位置(写真Ⅲ)を確認します。
(写真Ⅰ)
(写真Ⅱ・Ⅲ)
そしてより安全な刺鍼深度を確認して、治療を行っていきますので安全安心して治療を受けていただいております。
これだけ伝えていると鍼がネガティブなものに感じますが、多くのスポーツ選手、肩こり腰痛の患者さんが、鍼の即時的な効果を実感しております。確実に効果のある治療ツールです。
それをいかに安全に行っていくか。
ここをあいまいにしていては鍼治療は普及しないと思います。
是非とも初めて鍼を行う人ほど受けていただきたいです。
これからもより研鑽して安全かつ効果的な治療を行っていきたいと思います。
Higuchi