経穴名:合谷(ごうこく)
経絡:手の陽明大腸経
局所解剖:
皮膚→皮下組織→第1背側骨間筋→母指内転筋
第1背側中手動・静脈の分枝、手背静脈網
橈骨神経浅枝、尺骨神経深枝
(針灸学 経穴編より引用)
取穴(ツボの取り方):母指と示指を開き、虎口と第1・第2中手骨結合部の中点に取る。
この合谷というのは言わずと知れた、足三里と同様に有名なツボです。
上肢の症状(肩、肘、手の痛み・痺れ)によく使われ、また頭痛や眼精疲労等の症状にも有効といわれております。
…とはいえ、筋骨格的にはどのような状態になっているのか?
イメージつきますか?
手の内在筋というのは中々、走行が複雑ですので正直私、イメージつかなかったです。
取穴部位に超音波検査装置のプローブを、第2中手骨に対して短軸走査をしている所です。
以下は、第2中手骨に対して短軸走査した際のエコー像です。
施術している鍼灸師の先生方は経験あると思いますが、合谷は非常に響きの強いツボに感じます。
取穴通りの位置はちょうど、示指中手骨(第2中手骨)と母指中手骨の間、やや示指よりに取りますよね?
刺鍼方向としては、中手骨に当てるような方向だと思います(僕はそうしております)
そうすると注目すべきは(筋肉の名前が書いてない)エコー像をみてもらうと、
示指中手骨際の背側骨間筋と母指内転筋の筋膜がやや厚くなっているように見えます。
人は常にものを持ったり、握ったり、この辺りの筋に負荷がかかっているのかもしれません。
また、後を引くような強い響きは、背側指神経(エコー像にある神経は正直はっきりしませんでした。Monster Anatomyで見たところ、この辺りの神経は「dorsal digital nerve 」しかなかったので「背側指神経」でいいかと…。)への刺激が原因の可能性があります。
そしてそして、この背側指神経は実は橈骨神経の枝(浅枝で知覚枝)なんですよね。
以下の橈骨神経の走行(引用:橈骨神経麻痺の症状・原因・治療・リハビリ [骨・筋肉・関節の病気] All Aboutより)を見てみて下さい。
今まで見てきた「三陰交」「足三里」もそうでしたが、
遠隔治療に使われている経穴というのは大体が大きな神経の枝になる部分の近傍にあり、
効果のある刺鍼というのはその神経周囲膜に対する適刺激なのでは?!と感じる今日この頃です。
大体神経にぶち当てると、患者様は鍼が嫌いになってしまうものです…(笑)
そうすると今回の肩関節周囲炎や、外上顆炎、合谷穴周囲のしびれに対して効果があるといわれるのは、
合点がいくところですね。
頭痛・眼精疲労は…??
今後の検討課題にします(笑)
ふ~
面白いけど、やっぱり大変な超音波ツボ探訪。
まだまだ継続していくのでこうご期待下さい!
またご意見等ありましたら是非とも気軽にご連絡いただければと思います。
Higuchi