人は酸素を体内に取り込むことで生きている。
それは、細胞がエネルギーを得るためである。
消化・吸収された栄養素は、そのままではエネルギーにならない。
酸素の力があって初めてエネルギーとなる。
その酸素は、空気から肺を通して取り込む。
取り込まれた酸素は循環器系(心臓・血管)を通じて各細胞に運ばれる。
酸素が取り込まれる代わりに、二酸化炭素は排出される。
この生理現象を呼吸という。
空気と血液とのガス交換を外呼吸(肺呼吸)。
血液と細胞のガス交換は内呼吸(組織呼吸)。
呼吸器系は気道と肺から構成され、鼻腔から咽頭までの部分を上気道、気管・気管支を下気道という。
気管支は分岐しを繰り返し、数億個の肺胞となる。
肺胞は袋状の形をしておりその直径は100~200μmときわめて小さい。
その周径は毛細血管が取り巻いている。
肺胞では、取り込んだ空気に含まれる酸素が毛細血管を通って血液に移動し、血液からは全身から集められた二酸化炭素が肺胞内に取り込まれるガス交換が行われる(安静時のガス交換は200~250mlになる)
呼吸は延髄にある呼吸中枢で調節され、吸息運動(空気を吸い込む)と呼息運動(空気を吐き出す)によって行われる。
吸息運動は、外肋間筋や横隔膜と収縮によって胸腔(胸骨と胸椎、肋骨、横隔膜に囲まれた空間)が拡大することで行われる
呼息運動は、内肋間筋の収縮、横隔膜の弛緩により胸腔が収縮することで行われる。
現代人はデスクワーク、スマホの影響もあり、不良姿勢になり呼吸も浅くなっている人が多い。
当院に来院される方で呼吸に関与する筋の過緊張、機能不全によって凝り症状が多い。
正しい呼吸こそ、肩こり改善の一歩ではないだろうか。
Higuchi