昨日は「からだの仕組み」に関してまとめた。
今日は器官系の中から脳・神経系に注目した。
脳・神経系はからだの機能の調整と思考を担っている。
とくに、大きく2つに分けることができ、「中枢神経系」と「末梢神経系」である。
中枢神経系は脳と脊髄になり、脳は脳幹(延髄・橋・中脳)、小脳、間脳、そして大脳からなる。
図1.「スポーツトレーニングの基礎理論」 横浜市スポーツ医科学センター編 P.13より引用
大脳は運動野という領域で身体各部の調節・統制を行う。
小脳は筋肉の協調を調節して、姿勢のコントロール・運動の補正・学習の中枢ととなる。
間脳は自律神経の最高中枢。
脳幹は心拍・血圧・呼吸や消化機能を制御。
脊髄は、反射の中枢で、感覚・運動情報の伝導路である。
末梢神経系は脳から脊髄を通って伝えられた信号を受けて、脊髄前角細胞から身体各部に伸びていくものと脳から直接出て末梢に伸びる脳神経とがある。
末梢神経系においては、
①手足を動かす筋収縮のように意識的に動かす運動器や感覚器などのコントロールする神経を「体性神経系(脳脊髄神経)」
②心拍や呼吸、消化、体温調節などの意識でコントロールできない「自立神経系」がある。
体性神経系は、身体外部の情報を皮膚、筋肉、関節からの感覚情報(痛覚・触覚・圧覚・温度覚)を伝える運動神経に分けられる。
自律神経系は、大きく交感神経と副交感神経に分けられ、互いに反対の作用を行うことによってバランスをとっている。
交感神経は活動的な時に活躍する神経であり、副交感神経は休息させるように働く神経である。
たとえば、交感神経が活発なときは血管は収縮し、副交感神経が活発な時は拡張する作用がある。
鍼灸治療で、痛いところに鍼をさして痛みが軽減するというのも、脳神経系の働きによる、下降性疼痛抑制系というものが一部作用していると先行研究より明らかになっている。
鍼灸師であると同時に医療従事者として、しっかりとからだについての理解を深めていきたいと思う。
Higuchi
参考引用文献:「スポーツトレーニングの基礎理論」 横浜市スポーツ医科学センター編