まだまだ暑い日が続いております。
今日当院の看板にも書いたのですが、この時期の運動は大量の汗をかきます。
適切な水分補給が熱中症予防には欠かせません。
水分補給が適切に行われているかを簡易的にチェックする方法が2点あります。
- 体重管理(練習前と後での減少量)
- 尿の量と濃さ(練習後1時間くらい経過した際の状況)
特に2番で「量が少なく、色が濃い際には注意が必要です。
この炎天下の中、京都のジメジメした夏に白球を追いかけた高校時代から早17年。
監督が不在でOBの方がノックを打ちに来て下さり、当時外野だった僕はひたすら、アメリカンノックというライトの守備からからレフト方向に打球を飛ばされ追いかけるという練習を数時間、水分を取らずに行いました。
やばいな~と思いながらも冷水器がすぐ後ろにあったのですが、汗だくでノックを先輩の前で自分だけ水分は取れない、という状態でした。よくある状況ですね。
ヘロヘロになり、数時間後に何とか水分を取ったのですが、その後小便をした際に赤色の尿が…。
あとにも先にもこの時だけでした…
さて、表題に関してですが、人間の体の約60%を水が占めており、水分摂取、排泄することで体内の水分量を一定に保っています。
水分は飲料水や食物から摂取し、尿や汗、呼吸時の呼気として排泄されております。
また人間が体温調節を行う際に、発汗し皮膚表面の水分が蒸発する際に熱の放散が行われております。
発汗は皮膚にある汗腺(エクリン腺)から行われます。汗は汗腺周囲の血液から作られ、その成分は99%が水、あとは微量のナトリウムや塩素といった電解質(ミネラル)で構成されております。
したがって、運動によって発汗し、体温が調節される場合、体内からは水分だけでなく、電解質も失われる。
そのためただ水分を補給するのではなく、電解質も補給して体内水分量の確実な回復を図る必要があります。
この時の私は電解質どころか水分も取れておりませんでしたので、やばいですよね。
- 環境条件によって変化するが、発汗による体重減少の70~80%の補給を目的とする。気温が高いときは15~20分ごとに飲水休憩をとることによって体温上昇が抑えられる。1回200~250mlの水分を1時間の2~4回に分けて補給すること。
- 水分の温度は5~15℃が望ましい。
- 0.1%~0.2%の食塩と3~6%程度の糖分を含んだものが有効。運動量が多いほど糖分を増やしてエネルギー補給する。糖分と塩分両方摂取したほうが水分の吸収が早いそうです。
効果的な水分補給を行うスポーツドリンクの選び方
水(水溶液)は溶けている物質の分子数によって圧力(浸透圧)が変化する性質があり、この浸透圧が水分の吸収に差を生じさせる。
運動中はナトリウムの喪失により、血液、細胞内の浸透圧が低下しております。水分は浸透圧の低い方から高い方へ移動する特性があります。
人間の体液の浸透圧は「290mOsm/L」で、これと
等しい浸透圧の水をアイソトニック(等張液)、
低い溶液をハイポトニック(低張液)、
高い溶液をハイパートニック(高張液)、
といいます。
ですので、血液、細胞内の浸透圧が低下している時(汗をかき続けている運動中)のスポーツドリンクはハイポトニック飲料の方がより水分の吸収に適しているといえます。
市販の商品名でみると以下のものが適応になります。
アイソトニック飲料:アクエリアス・ポカリスエット・グリーンダカラ・ビタミンウォーターなど
ハイポトニック飲料:イオンウォーター、アミノバリュー、アクエリアスゼロなど
ここで注意してほしいのが、ナトリウム不足しているからといって、塩分を取るようなタブレットをいっぱい食べてしまうと、高張性脱水(塩分が足りて水分が足りてない状態)と脳が判断し、体からの発汗をやめてしまい、汗をかきにくい状況になってしまいます。熱が放出されずかえって熱中症の危険性が高まる可能性があることを知っておきたいですね。
※ちなみに所さんが出ているCMでおなじみのOS1「経口補水液」は浸透圧が低めに設定されておりハイポトニック飲料に分類されますが、ナトリウムの含有量が、アイソトニックや他のハイポトニック飲料に比べ2倍近く含まれております。なので、経口補水液は運動中、もしくは熱中症発症後の処置、予防に用いられております。
たかが水分補給、されど水分補給。
17年前の自分の教訓がこのような形で振り返れるとは笑。
皆様もこちらをご参考にお気を付け下さい。
HIGUCHI