はじまりました!超音波ツボ探訪!
あまりにもマニアックになりそうな気がしますが、今回のブログを見て皆様から色々意見を頂ければと思っておりますので、ぜひお付き合いください。
記念すべき、第1穴目は言わずと知れたメジャーなツボ!「足三里」です。
経穴名:足三里(あしさんり)
経絡:足の陽明胃経
局所解剖:
皮膚→皮下組織→前脛骨筋→下腿骨間膜→後脛骨筋
前脛骨動静脈の分枝あるいは属枝 外側腓腹皮神経が分布
(針灸学 経穴編より引用)
取穴(ツボの取り方):外膝眼穴(膝蓋靱帯の外側のくぼみ)より下3横指。脛骨の内縁に取ります。
この足三里というツボ、松尾芭蕉の「奥の細道」のはしがきにも登場するのは有名な話です。
「ももひきの破れをつづり、傘の緒つけかへて、三里に灸すうるより、松島の月まづ心にかかりて……」
という一節があり、三里に灸のあとがない者とは旅をするなともいわれていたとか。
足三里に灸をし、足の疲労回復を行い続けた、46歳の芭蕉は1689年3月27日に江戸・深川の庵を後に趾、奥羽・北陸を経て、美濃・大垣に至る約2400キロを踏破したそうです。
足三里の灸、恐るべし!!
足三里の灸は、どのような機序で疲労回復に導かれているのでしょうか?
灸治療ということを考えると、皮膚表面から与える熱刺激になりますので、体性ー自律神経反射といった「自律神経の作用」によるものが主ではないでしょうか。「局所の筋血流の改善」という話もありますが、表面からの熱刺激が筋のどこまで深くに届くかはしれていると思います。
患者さん自身でも気軽にお灸できる位置にあるツボなのでご自身でお灸をやって見られてもいいのではないでしょうか?
今回のタイトルにも「超音波」とあるように、このツボ探訪シリーズで自身が一番やりたかったことは、超音波診断装置を用いて、エコー像を診てそのツボの下にはどのような組織があるのか?
ツボという臨床の積み重ねによって作りあげられてきた数々を超音波検査装置を用いて、考察する。
皆さんも見てみたくないですか?
僕だけですか?笑
ということで早速ですが、
以下、足三里穴をプローブの中心において、下腿近位部を短軸で走査している所です。
またMRIの横断面を用いて、短軸像として抽出されるエコー像に合わせたものです。
足三里に刺鍼した際に患者さんが「先生!今足の方までビーっときた!響いた!」という場面。
患者さんとしても経験のある方多くいらっしゃるのではないでしょうか?
鍼灸師の先生方もよく経験あるのではないでしょうか。
今回エコー像を見ていて一つ判明したことは、その響きは前脛骨動脈の近くに刺鍼して、前脛骨動脈に伴走している深腓骨神経に刺激をしたことによる反応の可能性があるということです。
今回撮像したエコー像でははっきり神経を映せてはいないのですが、教科書通りで取穴して、刺鍼した際に表皮より2㎝ちょっとの部分に動脈がおります。おそらくこの辺への刺入されると「深腓骨神経領域」への響き?放散痛?が生じるのではないでしょうか?
狭窄症の患者さんで跛行を呈している患者で、深腓骨神経領域に対して、この足三里から脛骨動脈近傍へのアプローチは有効化もしれませんね。
ふぃ~
なかなか、まとめが難しいですね。
この記事を書き始めて数時間経過してしまいましたので、この辺で一旦終わりにしたいと思います笑。
今後足三里に対してまた何か発見があればこの記事に追記していこうと思います。
今回は「足三里」を探訪いたしました!
エコー像をみるのはやっぱり面白い!
患者さんをより客観的にみて正確に治療していけるよう、超音波検査装置を用いた、今後もツボ探訪を続けていきたいと思います。
Higuchi
2024/10/3追記
拙著(未発売)の「経穴エコー解剖p.81」より抜粋。
元記事を書いたのが2017年8月。
あれから7年近くたって、経穴をエコーで観たものを、おおよそまとめました。
(いまのところ)全123ページのそれなりに書籍のようになってきました。
上肢・下肢とまとめております。あとは体幹ですね。
それにしても、スピードが遅い…(笑)。
でも、7年変わらず同じことを追求し続けられることが自分の強みなのかなとも思っています。
鍼灸師さんや鍼灸学校に通っている学生さん。または経穴(ツボ)を用いるセラピストの方に届くと嬉しいなと思っております。
ご興味ある方は是非、ご一報ください!
Higuchi